春は気温の上昇や日照時間の変化、新生活のスタートなど、心身にとって大きな変化の季節です。一見過ごしやすい季節のように感じますが、実は体調を崩しやすい時期でもあります。
春に起こりやすい不調の背景
春は寒暖差が大きく、環境の変化(入学・異動・引っ越しなど)も重なるため、自律神経が乱れやすくなります。
自律神経が乱れると、以下のような症状が現れやすくなります。
- 倦怠感、疲れやすさ
- 頭痛やめまい
- 不眠、眠りの浅さ
- 胃腸の不調
- イライラや気分の落ち込み
これは、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることで、身体の調整機能がうまく働かなくなるためです。
中医学における「春」と「肝」
中医学では、春は「肝(かん)」の働きが活発になる季節とされています。
「肝」は単に肝臓だけでなく、以下のような働きを担っています。
- 気(エネルギー)の流れを調整する
- 血を蓄え、全身へ供給する
- 精神状態(情緒)の安定
- 目の働きを支える
春はこの「肝」の働きが不調になりやすく、その結果
- イライラしやすい
- 目の不調やめまい
- 頭痛
- ため息が増える
といった症状が現れます。
肝と「目」の深い関係
中医学では「肝は目に開竅(かいきょう=開通)」するといわれ、肝の状態は目に現れると考えられています。
そのため、春に肝のバランスが崩れると、目の不調が出やすくなります。
- 目のかすみ
- ドライアイ
- 充血
- 視力低下
- まぶたの痙攣
特に、現代ではスマートフォンやパソコンの使用により、目の酷使が重なり、症状が強く出る傾向があります。
春の不調に対する漢方的アプローチ
春の体調管理では、
- 「肝」の働きを整える
- 「血」を補う
- 「目」を潤す
という視点が重要になります。
また、中医学には「肝腎同源」という言葉があり、生命力の源である「腎」が潤うことで気血の生成が充足して、「肝」の働きにも良い影響を与えるという考えです。
つまり、お互いが強く影響し合うという関係になります。
その肝腎を補ってくれる代表的な処方が 杞菊地黄丸(こぎくじおうがん) や 双料杞菊顆粒(そうりょうこぎくかりゅう) です。
杞菊地黄丸と双料杞菊顆粒の特徴
「杞菊地黄丸」は、六味地黄丸をベースに、枸杞子と菊花を加えた丸薬処方です。
「双料杞菊顆粒」は、杞菊地黄丸をベースにしながらも、飲みやすい顆粒製剤です。
- 枸杞子(くこし)
枸杞子には補腎作用があり、さらにカルテノイドの一種である「ゼアキサンチン」が非常に豊富に含まれています。
ゼアキサンチンは目の網膜にある「黄斑部」に多く存在し、有害なブルーライトを吸収して網膜を保護する「天然のサングラス」のような働きをします。
ブルーライトを浴びることで発生する活性酸素を抑え、目の酸化ストレスを軽減します。 - 菊花(きくか)
菊花は「肝」の熱を取り去る力が強く、スマホやPCの見すぎで熱を持った目の疲れや充血をクールダウンさせます。
枸杞子が網膜を保護(守備)し、菊花が炎症を抑えて視界をスッキリさせる(修復)という連携プレーになります。
主な作用は、
- 肝腎を補う
- 目の疲れやかすみを改善
- 加齢による視力低下のサポート
私は年が重なるにつれて、近くを見る際のピントが合いにくくなっていますが、この漢方薬を飲むとピントが合いやすくなり助かっております。
生活面でのセルフケア
漢方と併せて、日常生活の見直しも重要です。
1. 目の休息
長時間の画面作業は避け、1時間に1回は目を休めましょう。
2. 血流の改善
軽いストレッチや散歩で、全身の巡りを良くすることが大切です。
3. 食事の工夫
「肝」や「腎」を補う食材を意識しましょう。
- 緑黄色野菜
βカロテンやルテインが豊富で、目の粘膜や網膜を守り、抗酸化作用で目の疲れを軽減します。 - レバー
ビタミンAや鉄分を多く含み、血を補いながら目の機能をしっかり支えます。 - 黒ごま
セサミンやビタミンEにより血流を改善し、体の潤いを保ちながら肝・腎をサポートします。 - クコの実
カロテノイドや多糖類が豊富で、目の疲れやかすみを改善し、肝血を補います。
4. 睡眠の質を高める
夜更かしは「肝血」を消耗させるため、早めの就寝を心がけましょう。
まとめ
春は心身ともにバランスを崩しやすい季節ですが、体の仕組みを理解し、適切にケアすることで快適に過ごすことができます。
特に、
- 自律神経の乱れ
- 肝の働きの偏り
- 目の疲れ
は密接に関係しています。
体質や症状に応じて、杞菊地黄丸や双料杞菊顆粒などを上手に活用しながら、春を健やかに乗り切りましょう。


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